JULIUS

Multi Strap Cargo Pants

タフでディテールに拘った一着

日本はもちろん、海外でも熱狂的なファンを抱えるJULIUS(ユリウス)のMulti Strap Cargo Pantsの紹介だ。
極太なバギーシルエットに多数のポケットが配置され、無骨な印象が強いカーゴパンツであるにもかかわらず、ディテールに拘りが見られる逸品だ。
生地は厚手のコットンで、シルエットが一切崩れないほど堅牢な作りである。

様々な意味を含んだ“黒”

JULIUS (ユリウス)は2001年に堀川達郎によって立ち上げられた。
カラーはほぼ黒・白で構成されており、スタイルの特徴は、レイヤードが効いたオーバーサイズのシルエットと細身のシルエットを合わせたスタイルに、加工を施した素材がよく使われている。
特に堀川氏自身がブラックをクリエイションのベースとしており、最もアバンギャルドで崇高な意味を持つと語っている。
怒りと痛みのシンボルであり、日本の宗教にある禅的な意味合いや西洋におけるアンダーグラウンドなフェティシズム、光と対比する狂気的な闇への執着、すべての悲しみを弔う色として様々な意味を持たせている。
2004年に東京コレクションに参加し、2008年よりJULIUS MA(ユリウス・エムエー)というラインでパリコレクションにも参加。
その独特なモードの雰囲気漂うミリタリーゴススタイルから、日本のみならず海外からも熱狂的に支持されている。

JULIUSの名を世に知らしめたのは、大きなカーゴポケットと長く伸びたストラップが特徴的なガスマスクカーゴパンツである。
毎年コレクションのコンセプトを変えることで有名だが、当時「ガスマスク」というラインが発表された際、爆発的人気を博したのがカーゴパンツである。
以来、「ガスマスクカーゴ」と称され、ラインが無くなった現在でもカーゴパンツだけは現在まで形を変えて新商品が展開されている。

元々グラフィックアーティストであり音楽にも造詣が深い堀川氏は、とあるインタビューでこう語っている。

「テクノは、単なる音楽用語じゃないんです。僕たちが考えるテクノの精神は、最先端であること、いかなるノスタルジアの感覚も持ち合わせていないこと、世界を前進させた欲求を持つもの。」

過去に囚われず前へ進めることこそクリエイティブだと堀川氏は語る。

相反するスタイルの
見事な融合

改めてこちらのカーゴパンツに目を向ける。
ワイドシルエットとタイトシルエットの混合というブランドの印象と若干異なり、潔い極太のバギーパンツ。
内腿に斜めに縫い付けられたカーゴポケットはありきたりなシルエットからの脱却を印象付け、モードな雰囲気を表現。
パッと見た印象はカーゴ、よく見るとモードのニュアンス。
無骨とモードという、相反するスタイルを見事に融合させている。

私が考えるに、このパンツはスチームパンク的な世界観の中での一種の不条理なディストピアを表現しているのではないかと思っている。
先述したテクノに対する考え方のように、同じパターンを繰り返しているようで変化と進化が共存する思想を支持する一方で、凝り固まった現代を憎み、狂気的な一面を覗かせているように感じないだろうか。

日本のファッショニスタからはガスマスクカーゴの印象が強いJULIUSだが、ブランドを紐解くとこれほどに“ファッション”を体現しているブランドは無い。
是非このパンツを履いて、堀川氏の想いを感じてみてはいかがだろうか。

JULIUS
Multi Strap Cargo Pants
素材:コットン100%