UNKNOWN PRODUCTS

NETSUKE Circle Purse

江戸時代の粋な装飾品

突然だが、あなたは和装に興味はあるだろうか?
ファッションに明るい方と雖も、和装まで精通している方は少ないのではないかと思う。
その理由は、洋装と純和装の相性の悪さから来ているのかもしれない。
だが、日本人である以上、自国のファッションに少なからず興味があるのは自明である。
今回はそんな和装の精神に触れることができるアイテムを紹介していきたい。
キーワードは“粋(いき)”だ。

UNKNOWN PRODUCTS(アンノウンプロダクツ)のNETSUKE Circle Purseの紹介だ。
“NETSUKE”の名の通り、和装小物の“根付”に由来する。
根付とは江戸時代に武士や町人たちに使用された留め具であり、ポケットのない着物生活で細かな物や貴重品を持ち歩く際は、「提げもの」と呼ばれる袋物などに品々を入れ、根付を使って帯に吊るして携帯するためのものである。
要は和装独特の実用品だ。
しかし、次第に職人たちが細工や彫刻に凝るようになり、装飾品の要素が強くなっていった。
目立ちにくいアイテムだからこそこだわりを持つ、という“粋”な江戸時代の人間性を象徴したようなアイテムである。
この根付をデザイナーの感性によって再解釈したものがNETSUKE Circle Purseである。

何気ない日常を
豊かにできるアイテムたち

ここでブランドにも触れたいと思う。
UNKNOWN PRODUCTS(アンノウンプロダクツ)は日本のプロダクトブランドとして2019年より発表を開始した。
ブランドコンセプトは以下である。
「作者不明であれ、丁寧な仕事が施された良質なものは時代を超え普遍的なものとなり存在し続けていきます。私たちはその様な製品を残していきたいと考えています。」
女性がブランド品の紙袋を使い回しているシーンから着想を得た“Leather reproduction of the bag in the street”シリーズを代表とし、今回紹介するNETSUKEを含む“Reconstruction of Japanese style”という日本の伝統や文化、様式に敬意を払い、現代的な解釈を加えたシリーズを展開している。
近年ではメトロポリタン美術館とコラボを行うなど芸術分野からも大きく評価を受けており、その感性の鋭さと細部まで徹底的に拘り抜く職人気質から現在注目のブランドとなっている。

楽な気持ちで
“粋”を纏う

改めてNETSUKE Circle Purseのディテールを見ていこう。
シンプルな木製の根付に、頭頂の金属パーツがアクセントを与える。
紐で繋げられた先は「提げもの」となる上品なカーフレザーによる円系の小銭入れが同調し、根付としての完成度を高めている。
内側にはキーリングが備え付けられており実用的で、驚くことにファスナーの引手にブランドロゴが刻印されている。
古典的な構造のアイテムがデザイナーの感性によって再解釈されると、こうも上品さが醸されるのかと感嘆しないだろうか。
素材や見た目こそ現代風の解釈だが、拘り抜いたディテールから感じ取れる“粋さ”は江戸時代のそれを彷彿とさせる。
使い方は、着物の帯よろしく、パンツのベルトに取り付けるのもいい、バッグの持ち手に取り付けるのもいい。
原点は実用品である。
和の精神に触れながら楽な気持ちで自由に身に着けることが“粋”なのではないだろうか。

UNKNOWN PRODUCTS
NETSUKE Circle Purse
素材:型押しカーフレザー/金属パーツ:真鍮  生産国:日本