Craig Green

Poplin Worker Jacket

エレガントなワークジャケット

イギリスのファッションブランドCraig Greenの「Poplin Worker Jacket」の紹介だ。
ボタンに至るまで黒で統一された、一見するとシンプルなワークジャケットである。
アメカジの定番アイテムであるワークジャケットだが、こちらの一着はどこかエレガントな雰囲気さえ感じないだろうか。
ストリートファッションのみならず、幅広いコーディネートに馴染んでくれそうなポテンシャルを感じる。
日本での知名度はさほど高くなく、実店舗での取り扱いがまだ非常に少ないCraig Green。
ブランドの成り立ちを紐解きながら、このワークジャケットについて見ていきたい。

デザイン性と実用性の融合

Craig Greenは1986年、ロンドン北部のコリンデールで生を享けた。
代々続く貿易商の家庭で育ったため家の中に材料や機材が置いてあり、幼少期よりいつも何かを創作していたという。
そうして幼いころより感性を磨いていった彼は、幾多の著名なデザイナーを輩出した名門セントラル・セント・マーチンズに入学した。類まれなる才能を開花させた彼は修士課程の卒業コレクションで脚光を浴び、2012年には自身の名を冠したブランドをスタートさせ、瞬く間にデビューからトップデザイナーの仲間入りを果たした。
近年では「adidas」や「VALENTINO」とコラボするなど、引く手数多のブランドへと成長している。

彼のランウェイで発表される作品は造形的であり実験的、かつどこか近未来的な雰囲気が特徴だ。その作品を見た事がある方なら「芸術的過ぎてとても着られない」と思う事だろうが、それは少々早合点だ。
彼のインスピレーションの元となっているのは制服や民族衣装など意外にも古典的なものが多く、その見た目に反して素材の利便性を追求し、デイリーユースしやすいリアルクローズに完璧に落とし込んでいるのだ。
アートのようなデザイン性と実用性を上手く融合させた唯一無二のリアルクローズと言えるのではないだろうか。

随所に感じるアートイズム

それを踏まえたうえでこちらのジャケットを見てみよう。
一見するとあまりのシンプルさに拍子抜けする方も多いのではないだろうか。
黒一色の王道シルエットのワークジャケット。
軽量かつ耐久性があるコットンポプリン生地を使用し、フロントには胸ポケットが2つ。
これだけを見るとCraig Greenのアートイズムはどこへ?と思ってしまうが、さらに細部まで目を向けてみて欲しい。

襟から下に向かって流れるような前立てのカーブ、サイズ調整出来るよう並べられたカフスのボタン。両サイドには機能的なポケットがあり、胸ポケット下に縫いつけられた四角い布はただの飾りではなく、前立て側から手が入れられる隠しポケットのような遊び心ある作りになっているのだ。
ポプリン生地はイギリスやアメリカの軍事関係者がユニフォームに用いた程、耐久性に優れ着心地が良い生地であるし、本来フォーマルな仕立てに用いられる事が多い前立てをカジュアルなワークジャケットに取り入れた点も実に粋だ。
一着のワークジャケットに怒涛の如く拘りが詰め込まれている事に驚きを隠せない。

デザイン性と実用性を兼ね備えたアイテムは、着る者を飽きさせず長く愛用してもらえる品になると思う。
この機会にCraig Greenのアートイズムにぜひ触れてみて欲しい。

Craig Green
Poplin Worker Jacket
素材:コットン100%   生産国:Portugal