Craig Green

Layered Trackshort CGAW21CWOTRS05

錬金術のように
作品を生み出すデザイナー

イギリス出身の奇才、Craig Green(クレイグ グリーン)をご存知だろうか?
常に新しいことに挑戦し続けるタイプではなく、彼は錬金術のように、アイデアを生み出し、深みを持たせ発展させていくタイプのデザイナーだ。
表現者にとって、次から次へとアイデアが浮かび世に生み出すこと、それ以上の喜びはあるのだろうか。

まずはアイテムを紹介しよう。
クロップド丈で幾重にもレイヤードが重なり、シルエット的には日本の袴のような印象を受ける。
ウエストベルトのほかにサイドにドローイングが施されていて結び方により複数の表情を見せる。
どこか和の雰囲気があり、立体的な構造のアイテムだが、民族、建築、そして宗教からインスピレーションを得て作品に昇華させるのはCraig Greenのお家芸である。

独創的なリアルクローズ

彼の経歴をブランドの魅力を交えて説明したい。
Craig Greenは1986年、ロンドン北部のコリンデールで生を享けた。
代々続く貿易商の家庭で育ったため家の中に材料や機材が置いてあり、幼少期よりいつも何かを創作していたという。
そうして幼いころより感性を磨いていった彼は 、John Galliano(ジョン ガリアーノ)やAlexander McQUEEN(アレキサンダー マックイーン)等、幾多の著名なデザイナーを輩出した名門セントラル・セント・マーチンズに入学した。
類まれなる才能を開花させた彼は修士課程の卒業コレクションで脚光を浴び、2012年には自身の名を冠したブランドをスタートさせた。続く2014年、2016年には英ファッション協会よりメンズウェア部門の新人賞など受賞し、さらに2017年にはMoncler(モンクレール)とのカプセルコレクション「Moncler C」を発表する。

瞬く間にデビューからトップデザイナーの仲間入りを果たした彼だが、その魅力や特徴はどこにあるのだろうか?

日常的かつ実用的なデザインを核に機能と感情、制約と自由といったブランドコンセプトを設け、独創的なピースを発表し続けている。
独創的でありながらも、不思議とリアルクローズで着用できるアイテムが多い。

実際に過去に発表してきた彼の作品には様々な制服をベースにしたものや民族衣装、和装を連想させるフォルム、そして宗教の儀式を連想させる建築的な木枠のフレーム装飾、などが存在する。
そのどれもが袖を通してみると、不思議と馴染んで奇抜さを感じさせない。
どんな分野、角度からインスピレーションを持ってこようがリアルクローズに落とし込む、まさにその点が最大の魅力ではないだろうか。
冒頭で錬金術と称した理由である。

制約と自由を思い通りに操る

今回紹介したこのパンツも同じように民族衣装、和装などからインスピレーションを受けたものではないかと筆者は感じる。
ドローイングで縛っては緩め、シルエットを遊ばせるという点はコンセプトである制約と自由に符合する。
卑金属、はたまた貴金属なのか実際に手に取って確かめてほしいアイテムである。

Craig Green
Layered Trackshort CGAW21CWOTRS05
素材:コットン100%   生産国:イタリア