Tobias Birk Nielsen

Soult Acid Bucket Hat

ポエティズムを中核に置く
前衛アートのような作品

かつて存在した、POETISM(ポエティズム)という前衛芸術運動をご存知だろうか。
「世界を詩的に眺めるための方法」として、芸術を表現方法とした運動だ。
このPOETISMをデザインの中核に置くブランドがある。

本日紹介するTobias Birk Nielsen(トビアス ビルク ニールセン)だ。

Tobias Birk Nielsenはデンマーク王立藝術アカデミーを卒業した。
バルセロナを拠点とするBORIS BIDJAN SABERI(ボリス ビジャン サベリ)に師事し、アシスタントデザイナーとしてキャリアスタートさせた。そして、2015年から自身を冠するレーベルを立ち上げる。
当初は古着等を再構築し、彼独自のエッセンスを取り入れたプライベートコレクションを発表していった。
徐々に、世界中のバイヤーより注目を集め各地にて取扱いが始まり知名度を上げていった。

そして、2018年SSシーズンに現在のアートワークの礎ともなったインスタレーション「ISO. POETISM」を発表した。
このシーズン以降、「ISO. POETISM」という標語が頻出し、もはやロゴのような立ち位置までに登った。
現在はISO. POETISM by Tobias Birk Nielsenというライン名で作品が発表されている。
これが冒頭のPOETISMをデザインの中核に置いているという意である。

独自の視点で、世界を詩的に見る

当時のルックブックにはデザイナー本人の言葉でこう記されている。
「絶望の段階を経験して初めて、心の奥底にある孤独感から詩が生まれる。」
詩、詩的とは現実から離れた美しいもの、趣風情があるものを指し、現実を絶望と捉えているように思えてならない。
事実、彼が生み出す作品はこれまでの境遇による葛藤や哲学論が反映され、非常にアート色が強く、そこが最大の作風における特徴であり魅力だ。
ファッションに表現方法を置き、世界を詩的に見るために徹底的に現実に対して葛藤や強い執念を持つ姿勢を取っているのではないだろうか。
現実に対する葛藤や執念を通り越し、一種の諦めのような念さえ感じ取れる。

詩か、現実かでファッションを選ぶ

そんな彼のPOETISM(ポエティズム)の姿勢が詰まった作品が「Soult Acid Bucket Hat」なのだ。
ジャカード織りのデニムにクラウドウォッシュ加工を施し、一点一点異なるカモフラ柄のような外観だ。
彼のデザインによく見られる作風として、軍隊等で着用されている衣類から着想を得て、機能性を備えつつも現代風にアレンジを加えるというものがある。
この作品は軍隊で使用するブーニーハットに、現代のバケットハット風にアレンジを加えたように感じ取ることができる。
そして、まるでマーブル柄のような風合いをジャカード織りで表現する。
モデル名につく、「Soult Acid」はまさにマーブル柄を織りなす酸で溶けた大理石のような形容しづらい美しいものを指しているに違いない。

単純なデザインやブランド、価格で今まで選んでいた方にこそあえて提案したい。
「詩か現実か」 通常ファッションに持ち寄らないものさしで選んでみることもまた新たな出会いに繋がるだろう。

Tobias Birk Nielsen
Soult Acid Bucket Hat メンズバケットハット
素材:100% Cotton カラー:ブラック 生産国:イタリア