Maison Margiela

ZERO IMPACT

自分なりの答えを見つけたくなる
サスティナブルな逸品

Maison Margiela(メゾンマルジェラ)からカードケースのご紹介だ。
この「ZERO IMPACT」(ゼロインパクト)はカードスロットが一つと、背面にポケットが1つあるシンプルなものだ。素材は100%牛革だが、近年話題となっているサスティナブル素材を使用している。
このレザーは製造プロセスで二酸化炭素の排出量を5%削減する手法で作られ、環境への配慮がなされたものだ。さらに森林再生プログラムと提携し、二酸化炭素の削減に努めていることも補足しておこう。
サスティナブルな素材でありながら、確かな高級感の感じられる一品だ。
そして背面にはブランドタグを剥ぎ取った白い4つの糸もあり、“マルジェラらしさ”もしっかりと楽しめる。

さて、このカードケースの最たる特徴であるものが、前面にあしらわれたタグだ。
シリーズ名でもある「ZERO IMPACT」と「Sustainable Leather」の文字が刻まれている。

あらゆる面に匿名性を

マルジェラファンの方々には説明不要だと思うが、このブランドは非常に深い独自の世界観を持っている。
その最大の特徴は“匿名性”への拘りである。
まず顕著に感じられる“匿名性”の表現は、メゾンマルジェラのアイテムにある、4つの白い糸だ。
これは初期にブランドタグを使用していたが、“ブランドネームに左右されず、アイテムそのものを見て欲しい”という思い、つまりブランド自体を匿名とするためにタグを取外し、しつけ糸のみが残ったことが起源だ。

“匿名性”の表現はアイテムのみに留まらない。
創設者であるマルタン・マルジェラは、メディアの場に一切姿を現さないことで有名だが、これもまたデザイナーより服を見て欲しいとする、マルジェラ氏のファッションへの愛と、アイテムに纏わる仔細を秘匿する匿名性と言えよう。

またメゾンマルジェラのスタッフは全員が同じ白衣を纏っており、これはブランド内部における階級と役割を曖昧にする“匿名性”の表れである。
メゾンマルジェラに関するあらゆる面を匿名とし、ファッションアイテムを展開し続けるその姿は、ファッションへの強い愛とクラフトへの自信が窺い知れよう。
そんなマルジェラが放つ「ZERO IMPACT」の意味、考えたくならないだろうか。

語られないからこそ、思いを馳せたくなる

「ZERO IMPACT」。
ゼロはそのまま数字の0を意味するものとして、「IMPACT」はどうだろうか。
英語を日本語訳する際には複数の意味が候補となるが、「IMPACT」の和訳はこのようになる。
衝撃、影響、効果、感化。
改めてこのカードケースに銘打たれた言葉を和訳してみよう。
「衝撃、影響、効果、感化 ゼロ」 「環境と人権に配慮したレザー」。

「ZERO IMPACT」が、まるでサスティナビリティに相反する意味のように見えないだろうか。
メゾンマルジェラは匿名である故に語らない。だからこそ思いを馳せたくなる。
“この程度では環境への影響はゼロであり、配慮とは言えない。”なのか はたまた“近年のサスティナブルであれとする流れへの感化は無い。”なのか。 いずれにせよ、メゾンマルジェラの憎悪にも似た皮肉を感じないだろうか。
サスティナブル素材に、わざわざ“サスティナブルレザー”と刻んでいるのも、どこか皮肉げに感じてくる。

答えはメゾンマルジェラのみぞ知る。
使用者としての答えを見つけたくなる方に、是非手にしてもらいたい。

Maison Margiela
ZERO IMPACT カードケース
素材:Leather カラー:ブラック