MM6 Maison Margiela

Circle Japanese

真理、宇宙を感じる
円相のバッグ

風呂敷にインスパイアされたMM6定番コレクション「Japanese」の変形である「Circle Japanese」。
フェイクパテントレザーにクロコの型押しがされており、高級感のある外観と、斜めに入ったステッチが変化を生みJapaneseのニュアンスが感じられる。
売れに売れたJapaneseを三角から丸にして安易な変形として出したのだろう?
そう思った方は是非最後まで読んで頂きたい。

悟りの窓

Japaneseのモデルが風呂敷や折り紙だとしたら、Circle Japaneseは何を表しているのだろうか。
ここからは実に私的で個人的な解釈だが、私にはこう考えることが正解のように思えて仕方ない。
マルジェラの控えめで芯の通ったコンセプトは日本の美意識ととても相性がいい。
そういった意味では、外見だけを追求してデザインされたわけではないJapaneseからは日本古来の美学を感じることができる。
その着想で生まれたJapaneseから考えるに、このCircle Japaneseの円形のデザインはただの円形ではなく「円相」ではないかと思う。

円相とは禅における書画のひとつで、図形の丸(円形)を一筆で描いたものである。
悟りや真理、宇宙などを円形で象徴的に表現したものとされるが、その解釈は見る人に任されると言われている。

あなたは、京都は鷹峯(たかがみね)の源光庵にある「悟りの窓」をご存じだろうか。
がらんとした殺風景な和室に真円の窓が大きく配置されており、強い違和感を覚えると同時に畏怖すら感じる。
その異質な空間にある円形の窓から外を眺めると、なんてことの無い庭が顔を見せる。

だが、眺めれば眺めるほど意味深で、綿密に計算されていることを徐々に理解し始めるのだ。
庭師が緻密に計算した構図はきらびやかなきれいなものというわけではない。
しかし、この窓を覗くと悟りが開けると語り継がれ、古くから人々の心をつかんでいる。

見えなかったものが見えてくるような
ワクワク感

「Circle Japaneseは円相だ。」
そう考えると一気に見え方が変わったのを感じるはずだ。
円の中に表現されたクロコのテクスチャーとシンプルなステッチと生地の切り替え。
見えなかったものが見えてくるようなワクワク感が生まれてくる。

デザイナーの想いはデザインに現れる。 にも拘らず、マルジェラが何を考え、何を表現しようとしたのかはわからない。
しかし、それは円相と同じことだ。
円に始まりも終わりも無いように、答えが無いものにぐるぐると頭を巡らせるというのも面白いのではないだろうか。

何かを大切にするということは、その本質を理解しているからである。
それはファッションも同じだ。
見た目だけではない部分を知ろうとすることで深い慈母のような愛が生まれてくるのではないだろうか。

MM6 Maison Margiela
Circle Japanese サークルジャパニーズ
素材:95% Polyester / 5% Cowhide leather カラー:ブラック 生産国:イタリア