BALENCIAGA

HOURGLASS

大人にこそ似合う
2つの顔を持つバッグ

今回ご紹介するのは、BALENCIAGA(バレンシアガ)からHOURGLASS(アワーグラス)シリーズの一品だ。
上質なカーフレザーは滑らかな肌触りで、ブラックのしっとりとした重厚感は、大人にこそ合うラグジュアリーさを感じられる。
ショルダーストラップ付属のため、シーンによってショルダーバッグとハンドバッグ、2つの顔を持つ。
刺激的なシャープさのあるシルエットは底部の曲線美によって調和し、フェミニンにもマスキュリンにも幅広く合わせることが可能だ。

郷愁にかられ、過去に思いを馳せる

このアワーグラスシリーズは2019年に発表された、比較的新しいシリーズだ。
HOURGLASSとは「砂時計」を意味する。
実際に持って鏡を見ると、アワーグラスのシルエットが自分の体と一体化し、自分の両肩とバッグ底部のシャープなトライアングルラインで砂時計を彷彿とする。
これが「砂時計」たる由縁かと思う一方で、郷愁にかられるのは私だけだろうか。
バレンシアガが放つ「砂時計」は、過去に思いを馳せたものである気がしてならない。

スペインから
パリのオートクチュール界へ

まずはバレンシアガの長い歴史の一部を説明しておこう。
世界に長く愛されるブランド、バレンシアガの創業は1914年のことだ。
創設者クリストバル・バレンシアガにより、オートクチュール店としてスペインに生まれる。
その後拠点をフランスへ移し、現在に至るまでパリからラグジュアリーなスタイルを世界に発信している。
このフランスへ移った頃のバレンシアガに注目したい。

当時のパリは「クチュール界の建築家」と称され、最高峰の人気を誇ったブランドとしてDIOR(ディオール)があった。バレンシアガは人気絶頂のディオールと比較されることも多く、云わば双肩を並べたライバルに近い関係にあった。

この頃ディオールでは「ニュールック」というアイテムが、戦後という世情の中で女性らしさを開放するウェアとして、一大センセーションを巻き起こしたことはあまりに有名だ。
ディオールの歴史の中でも「ニュールック」は大きな存在となるほどファッション業界から脚光を浴びたのだが、その一方でバレンシアガは正反対とも言える、ゆったりとしたシルエットのウェアを展開した。
この真逆を進むブランディングと差別化により、バレンシアガはその地位を確立していく。
その後も長い歴史には紆余曲折があるが、その話はまたの機会にとっておこう。

さて「砂時計」の話に戻るが、前述したディオールの「ニュールック」。

これはコルセットでウエストを固く絞り、スカートがふわりと広がる、女性らしさを強調したデザインだ。
ここまで言えば、お気付きになった方も多いのではないだろうか。

女性の曲線美を大胆に演出したニュールックは、「砂時計」のシルエットなのだ。

砂時計を通して
デザイナーが見た過去

ディオールの「ニュールック」以前に、バレンシアガが「ニュールック」の前身とも囁かれるワイドスカートのスーツを発表していた過去も踏まえて、だ。
何かしらの意図が存在するように思えてこないだろうか。
バレンシアガにしか分からない思いが、そこにある気がする。
もしかしたら、近年ファッション業界ではクラシックスタイルのリバイバルが流行の傾向だが、その中でバレンシアガは過去を見たのではないだろうか。
砂時計が時の流れの象徴であることもまた、感慨深い。
バレンシアガのアワーグラス。
過去への郷愁か、はたまた別の想いがあるのか、推し量りながら手にしてみて頂きたい。

BALENCIAGA
HOURGLASS 593546 1IZHY 1000 ハンドバッグ アワーグラス
素材:カーフレザー カラー:ブラック