A.P.C.

VPC Logo Sweat

ブランドの覚悟を感じる
ミニマルな一着

今回は現在日本でも高い人気を誇るブランドA.P.C(アーペーセー)から「VPC Logo Sweat」を紹介する。
お馴染みのAPCロゴの"A"を反転させ"V"に変換し、フロッキープリントとしてフロントに施されている。
ミニマルなシルエットで無駄なディティールが削ぎ落とされている。
着心地はさすがA.P.Cといったところだろうか、手にとった瞬間に素材の上質さに驚く。
上質なフレンチカジュアルブランドでA.P.Cの右にでるブランドはおそらく無いであろう。
なぜ今になって知名度も高く、特徴も知られているA.P.Cの紹介なのだろうか。
このアイテムには、表に出ないブランド側の強い覚悟のような物が感じ取れるからである。

生産と創造の工房

ここで簡単にA.P.Cの変遷について紹介しよう。
A.P.C.の歴史は長く、1987年にチュニジア人であるJean Touitou(ジャン トゥイトゥ)がスタートさせたブランドだ。スタート当初は、ブランド名をあえて作らずコレクションを発表し、匿名性を強く意識した。
「デザイナーの名前を服のデザインに結び付けたくない」、その理由からA.P.C.と名付けたが意味をご存知だろうか。
「生産と創造の工房(Atelier de Production et de Creation)」、これがA.P.C.の意味である。
Maison Margiela(メゾン マルジェラ)のように、非常に強い反骨心が感じ取れるエピソードだ。
フレンチカジュアルなデザイン感覚を持ちながらも、シンプルで機能的なアイテムが揃う点が人気の秘訣だろう。
着る人を選ばず、それでいて着る人の個性を引き出す力を持つアイテムが多い。
一切の奇抜さを除外することを守り、エレガントでカジュアルなスタイルで誰もが手に取りやすいフランスブランドというコンセプトと符合する。

“初心に戻る”

A.P.Cの変遷について理解したところで、今回の反転した「V.P.C」ロゴについて考える。
このロゴは単なる反転させただけの、デザイン遊びなのではない。
V.P.Cはブランド設立初期に行っていたカタログ通販の表紙に記載されていたロゴだという。
設立当初から順風満帆なブランドは少なく、A.P.Cも例外ではなかったはずだ。
単なるデザイン遊びではなく、はたまた懐古的に当時のロゴを用いたわけでも無いように思える。
当時の純粋なファッションに対する、渇望、反骨心、言うなればここで「初心に戻る」ということだ。
ファッションブランドの移り変わりは想像以上に早い。
弛まぬ努力、不断の反骨心、そういった類のものが欠けた瞬間に綻び始めたブランドを多く見てきた。
今回紹介した1着はA.P.Cの意地、いや決意に似たような強い感情を感じ取るのだ。

A.P.C.
VPC Logo Sweat メンズ スウェット
素材:100% Cotton カラー:ブラック