NaNo Artは2020年秋冬から後藤 凪、田中 睦人によって立ち上げられたブランドだ。
「着て楽しみ、見て楽しむ」をデザインのコンセプトに袖を通した時の高揚感は勿論、すれ違った第三者までも楽しむことが出来る服を発表している。

シーズン毎に異なる角度から服を創作し、驚くようなギミックを持たせ引き出しの多さが魅力だ。
ブランド設立から間もないが、既に大手企業新作発表PV衣装やMVメインルックなどに使用され、日を増すごとに注目を浴びている。

ART
FASHION
MUSEUM

ディレクターである後藤 凪は2017年に名古屋モード学園卒業後、HANAE MORI manuscrit デザイナー兼ディレクターでもある天津 憂のアシスタントデザイナーとして従事していた。
デザイナーである田中 睦人は2017年に大阪モード学園卒業後、国内OEM企業で働く傍ら創作活動を続け、2020年3月に後藤と共に[NaNo Art 2020 A/W]の発表を機にブランドをスタートさせる。
二人が織りなす基本的な型を抑えた上で創作される型破りな作品は、国内で注目を浴び始めている。

芸術と服の垣根を超える服

「服は芸術品や美術品なのか、それとも工業製品なのか」という論争が生まれてから久しい。
服の要素で言い換えると、前者はデザインや技法そのものを指し、後者はいわゆる機能性を指して差す。
NaNo Artの作品には、視覚的にわかりやすいあっと驚くような仕掛けがデザイン上に施されているものが多い。
わかりやすい違いを生むために奇抜なデザインや型破りな作風の新進気鋭ブランドは近年多いが、NaNo Artの作品を初めて見た時、例にもれずそのようなデザインに振り切ったブランドとも思えず、違和感を感じた。

NANO
MUSEUM

このブランドの発足したシーズン、2020AWのルックには下記のような文章が綴られている。
-型外れなことをするためには、型を知らなくてはいけない、
まず、型「合わせ」をしてみよう。
-起源を知り、合わせることから始めてみよう。

続く2021SSには、かの有名な哲学者を引用し、
-知らぬことは罪であること。
-体験していない知識は誤りが多いということ。

とも綴られている。

NANO
MUSEUM

NaNo Artに触れてみて、合点がいったのだが型破りながらも基本的な作りやディティールは踏襲されている。
その点が違和感に対する答えだったのだ。
見事なまでに芸術品と工業品の間を行き来する、そんなブランドがNaNo Artである。
「心の琴線に触れる作品」、「機能を果たす糸の集合体」、そのどちらも併せ持つ点が最大の魅力である。

デザインの引き出しの多い点もこのブランドの魅力のため、袖を通して良いと思った直観だけで選んでも良い。
上述したように、アイテム本来の作りは踏襲しているので手持ちのアイテムにも十分に馴染むはずだ。
ワードローブのメインに加えてみてはいかがだろうか。