MM6はMaison Margielaの数あるラインの中でも「女性のための服」をコンセプトとする独立ラインだ。
“ready when worn(着ることで完成する服)”というコンセプトを物語るように、袖を通して初めて気づくような仕掛けや遊び心が込められている物が多いことが特徴である。
さらに、日常使いしやすいシンプルかつベーシックなデザインが多い点や、アーカイブコレクションをテーマにしたデザインなど今では手に入りづらい過去の名作に触れることができる点も魅力である。

Maison Margielaが展開するラインにはそれぞれコンセプト毎にナンバーが振られている。
その中で、ライン6「女性のための衣服」が1997年に独立する形でMM6が誕生した。
発足当初はNYコレクション、そして近年ではミラノコレクションで発表をしている。
三角形のフォルムが特徴的で日本の折り紙から着想を得て作られた「Japanese」や「Berlin Bag」など根強い人気を誇り、近年ではThe North FaceやEASTPAKとコラボレーションを行っている。

過去を発掘して再構築

MM6には過去に存在した物からインスピレーションを受けている作品が多い。
もともとマルジェラはデザインのインスピレーションに過去の古着やミリタリー物から着想を得ることは有名な話である。
行く先々で古着屋や蚤の市に寄っては蒐集を繰り返し行ってきたと言われている。
自らがアシスタントとして師事したジャンポール ゴルチエより連綿と受け継がれた、いわゆる過去を発掘して再構築する手法である。

過去の物に余計な解釈やデザインを加え、もはや原型を留めないブランドは実に多いが無駄な手を加えることなく、シンプルにエッセンスのみを引き継いでいるように思える。
それはマルジェラなりの過去へのオマージュなのであろう。

レディースラインの
概念を覆す

冒頭からMM6はレディースラインと表現していたが、内実は着用しているメンズも多く存在する。
中性的やジェンダーレスとブランド側が謳っている訳ではないのにもかかわらず、なぜ性別を超えて受け入れられているのだろうか。

答えはそのデザインにあるように思える。
それは性別を綺麗半分に意識しているのではなく、両立させているのだ。
少年のようでもあり女性的でもある。
これはよくあるジェンダーレスという境界を曖昧にしただけの表現ではない。
MM6においてはジェンダーを無くすのではなく、併存させているのである。
MM6は単純にデザインで惹かれることも多いのは事実だが、最後まで読んで頂いた方は改めてそのような視点で是非手に取ってみてはいかがだろうか。