NOSTRASANTISSIMA

Sweater

謎のヴェールに包まれた
ハイエンドモード

NOSTRASANTISSIMA(ノストラサンティッシマ)というブランドをご存じだろうか?
まずはアイテムを見てみよう。
今回紹介するSweaterは、裾と袖にダメージ加工を施しわかりやすい変化を楽しめ、絶妙なシルエットはスタイリッシュな印象を与える。
イタリアらしく上質な生地を使用しており、ダメージ加工と相まってハイエンドモードの印象も持つ。
ファッションに明るい方には一目見て使いやすさを感じることであろう。
だが、どのようなブランドか知らない方がほとんどではないだろうか? 謎のヴェールに包まれたNOSTRASANTISSIMAを紐解いていく。

フォトアーティストが
服で表現する自由への肯定

NOSTRASANTISSIMAは2012年にデザイナーのMARCOとCRISTIANが立ち上げた。
イタリアパドヴァを拠点とするファッションブランドだ。
黒を基調としたハイエンドカジュアルを提案する新しい視点のブランドで、特徴としてファッションや写真などからインスピレーションを得たものを型に囚われずデザインに起こし形にしていく。
自分達の表現したいものを創り上げる為にはファッションの世界だけでなく様々な事から影響を受ける事が重要と考えている彼らは、自由への肯定と偽りの無い表現により創り出された2人の感性が重なり合う事により完成する。
だが、方向性の相違によりMARCOがブランドを離れCRISTIANがNOSTRASANTISSIMAの唯一のデザイナーとなった。
そのような創業者の衝突後、NOSTRASANTISSIMAの勢いは衰えるどころかさらに研ぎ澄まされたものになったのである。

彼のカメラマンとしてのクリエーションを見てみると、いかにアート寄りの人物かがわかる。
女性を題材にしたセクシャルな表現の中にこれがファッションだと言わんばかりのメッセージ性を醸している。表から出るアナーキーな雰囲気と常識に囚われない自己表現の中からエレガンスさとメッセージ性が感じられないだろうか。
そんなフォトアーティストとしても有名な彼がインスピレーションを受け服に表現を落とし込んだものが浅いものであるはずがない。

破壊的であり、エレガント

改めて今回紹介するSweaterを見てみる。
見かけによらず繊細でエレガントなパターンを好む彼にしては珍しく、こちらのSweaterには大胆なダメージ加工を施している。
左脇の前後と右袖に大きく空けられた切り込みは、ありきたりのセーターを特別なものに変えている。

彼のクリエイティブから想像するに、このダメージは単なる摩耗による劣化の表現だとは思えず、恐らく意図的に、しかもナイフのような鋭い刃物で自ら切りつけるような類の表現ではないだろうか。
これは何かしらに対する彼自身の怒りによる破壊的欲求を表しているように思えてならない。
しかし完成したものはそのような物騒なものではなく、まとまりがよくどことなくエレガントなものに昇華されている。

実に見事だ。

自分らしくあることを望む彼がこれから何を思いどんなものを作るのか。
今後の動向が気になるところだ。

NOSTRASANTISSIMA
Sweater メンズ ニット
素材:100% Wool 生産国:イタリア カラー:ブラック